話が始まって最初にクレジットされた人は岡田麿里さんでしたね。きっとこの方が存分に腕を振るわれた作品だったのでしょうね。
かなりハッピーエンドの部類だったのではないでしょうか。最後乃絵ちゃんが自然な雰囲気になっていましたしね。乃絵ちゃんが涙が出なかったのは、大切な人がいなかったから涙が出なかったという事のようですね。今感想を書いていてやっと気が付いたんですけど、純の「俺はお前が許せないんだ」という言葉は、純自身が乃絵の本当に大切な人になれなかった、という意味も含んでいるのかもしれませんね。
公式サイトの予告の「眞一郎はホントに全部ちゃんとできるのか?」は面白かったです(笑)眞一郎が心遣いの出来る人になって纏めてくれたのは、唐突ながら自然な流れで、竹林に比呂美を探しに行った所などは見事な行動です。
眞一郎のプロポーズに比呂美が「イヤ」と言ったのは、絵本を乃絵にしか見せなかったことから、眞一郎がまだ自分一筋で無いのでは無いかと気になって、咄嗟に出た言葉だと思います。それに対する眞一郎の「お前にはいつでも見てもらえる」という台詞はそういった比呂美の気持ちを汲み取って、弁解したものだと思います。「真心の想像力」の上に築かれた、息の合った会話だったのではないでしょうか。
絵本を乃絵ちゃんにしか見せなかった事等も、良い配分といいますか、一番誠実な道だったと思います。眞一郎がアブラムシの歌を歌う所では、こちらも心が震えました。声優さんの演技も真に迫っていたアニメでした。
細かな良いところは挙げるときりが無い位です(笑)
最後に眞一郎が語った「本当に大切な人の事を思うと勝手に涙は溢れてくる」、ということが「真実の涙」だと思うんですけど、見事にそれが表現されていたと思います。
シリーズ全体を振り返りますと、私の多く無いアニメ体験の中でも表現の繊細さにおいて群を抜いていました。それもアニメオリジナルであることを生かした斬新な方法が多かったです。人の心の底に棲む物を描こうという意欲も感じました。美術も富山特有かと思える美しくも湿り気のある風景が味わい深かったですし、音楽も良かったです。派手な要素のまるで無いアニメとしては最高峰の作品だったと思います。短くて本当に寂しいですけど、スタッフの方々は有難うございました。
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