読みました。
祐麒の立場は中学からエスカレーター式に上がって来た学生ながら、当初の乃梨子とほぼ同じで、花寺独特のシステムに困惑する立場でした。外部に進学する予定だったので知らなかった、というのですが、祐麒に頼れる友達が居ない事とあわせて、辻褄合わせが際どい、今野先生らしい設定だと思いました(笑)
祐巳ちゃんもそうですけど、中学からの親友の話とか、もっと有っても良いですよね。
アリスと仲良くしていて、視線が集まっていることに対して「うらやましいんだろう」と言った所や、柏木がナプキンで口を拭いたときの「つい目いってしまう唇」とか、祐麒は既に発想が一般の男のそれと離れている様に思います(笑)
「烏帽子親」という単語は爆笑しました。多分「あっちは「姉妹」だからこっちは「兄弟」かしら。いや、でもちょっと、表現が直接的過ぎるかも……」といったような今野先生の試行錯誤から生まれた単語なのだと思います(笑)兄弟では、兄者、弟者、とか言い出しかねませんからね(ぉ
「マリア様がみてる」というシリーズは、名前が示すとおり、物語の背後に流れる(今野先生の)宗教性―――霊性と言った方が適切かも知れませんが―――が一つの見所です。「○○様も(が)みてる」という名前を受け継いだ今回も、「この世界は三次元だ」なんていう台詞が抹香(もしくは聖体)臭い感じで、今野先生らしくて良かったです(笑)
なんだかんだいって、祐麒は安直に源平を選ばなかったわけですし、友達三人にしても終わりの方なんて決然としていて、格好良かったです。友情に加えて、全編に自主や意志への賛歌のようなものを感じて、嬉しかったです。これはやはり、男の団体だからこそ、強く書けた要素だと思います。
女子高より肉体的な動きも多くて、面白そうですね。柏木と祐麒のキスシーンも有りましたし、映像化が楽しみです(冗談)
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