丁度良い感じの、家族の雰囲気が薫ってくるおはなしでしたね。
環さんがかわいらしくて、よかったですね。ぬか漬けの匂いが印象的な作品でした。そこら辺が物語に、地に足が着いた味わいをもたらしているとおもいます。
男性に受ける少女ものにはパターンがあって、たとえばCCさくらはさくらたそが男性陣に受けたんだともっぱらですけど、やはりあの、敵を倒してパワーアップして行く(?)といった感じが、男性に受け入れやすかったんだと思うんですよね。それにストーリーの質実な深みが重なって、大ヒットになったんだと思うんです。
そういう面で行くとマリみてには、普通の少女ものとは違った落ち着きがあるんだと思うんですよね。女性のほうが落ち着いている人が多いと思うんですけど、緒雪先生は落ち着いている上に、その落ち着き方が純粋に個性としての意味で、男性的なところを感じるんですよね。他の少女向け作品と比べると、男性にとってより読みやすいと思うんです。
ただ、メディア展開では漫画作品がありましたけど、それでは今野先生特有の落ち着きが消えて、普通の少女漫画っぽくなっていたと思うんです。だから大ヒットとはならなかった(多分)のではないかと思います。
地味ともいえそうな小編でしたけど、日常描写のそこかしこに、そういう美徳を感じた作品でもありました。
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