マリア様がみてる クリスクロス

題名からして少しいやな予感がするでもない本作。瞳子はどこかで再び乃梨子に対して翻意するのではないか、と思っていましたがてっきり乃梨子の家で一夜を過ごしてからの事だろうと思ってたので前巻の直後から既に対応が硬化していたのは意外でした。

祥子さまが祐巳を「曇り一つ無い鏡」に例えていましたが、全く同じ例えをダライラマ14世に使用していた人を見たことがあります(笑)さすが前巻にて悟りを開いたとも評される祐巳ちゃんです。

乃梨子ちゃんが「次期薔薇さまのお宝探し大会」に参加しない理由は流石に少し弱いのではないでしょうか、本当の辞退の理由はなんとなく瞳子が気になって集中できないと思ったからとか(笑)
乃梨子が活躍した巻は色々と有りましたが、活き活きとしているという意味では本巻が一番だったと思います。祥子さまの真似するかなぁ(笑)しかも志摩子さんの前で。
ちなみに社会科準備室での瞳子との密会(違)を終えて帰ってきた乃梨子の頬を志摩子さんが両手で包み込んだシーンは、必ず挿絵を入れるべきだったと思います。もしや二次創作をされている方々への配慮でしょうか。

きっと誰もが突っ込むと思いますけど、ちさとさんはもっと早いタイミングで瞳子を判別できたはずですよね(笑)「身体的な特徴があるわけでもない」っていうのは眉唾だと思います。

いつもですけど、特に今回全体的に今野先生の筆の乗りのよさを感じました。

瞳子の「熊でも一頭倒してきたみたいな」という形容や、乃梨子が志摩子さんを弁護した際の志摩子さんの天然ボケの描写、黄薔薇のやりとりといった所は闊逹としていて先生の流石の力量を感じます。

人の交錯を思わせて不吉に思った題名は実際は地図で宝の在り処に付ける×印の事でしたが、意味深で含蓄がある表現です。瞳子は祐巳ちゃんに×印をつけたんですね(含蓄の無い表現)

ついに祐巳に告白した瞳子ですけど、振られる確率は80%位なのではないかと予想します・・・なんとなく。とりもなおさず前向きになって来た瞳子ですが、今一気分次第で迷走している感も無きにしも非ずで、やっぱり彼女はまだまだ分からない事が多いですね。

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