東京BABYLON・6

Q.星史郎はそもそもなんであんな賭けを始めたんでしょーか?

A.(脳内補完)自分の心の不安定な状況を安定させたかったのだと思います。

東京BABYLONという物語は星史郎が内面に持つ二人の星史郎の対話だと考えると、分かりやすい所があります。

一人は桜塚護としの責務を全うしようとする星史郎(以下星史郎Bとする)そしてもう一人はそれに疑問を持つ星史郎((星史郎の抑圧された心)以下星史郎Aとする)です。

もっといえばそのA、Bを選択する星史郎Cも居るのですが、煩雑になるので割合します。

賭けを開始する直前の星史郎というのはBが圧倒的に優勢でしたが、Aも一定の力を持っていて不安定な状態に有ったのだと思います。

だから星史郎はA的な要素を端的に持っている昴流と共に過ごす事で、Aの考えに理が有るのかを見極めて、その不安定な状態に決着を付けたいとの思いが有ったのだと思います。

この星史郎の思索と観察がBとAにとって中立的なものだったかといえば、星史郎が昴流を好きになろうと努力したのは、B自身がBが圧倒的に優勢であることを認識した上でのフェアネスの精神だったと思いますが、星史郎を動かしているのはBですし、常にB的な視点からA的な昴流を見ていますので、この賭けはBがAを否定する為の儀式だったともいえます。

作中から拾うと例えば、四巻のP56の台詞であるとか、星史郎がたまに黒くなって怖い顔して何かいう時がありますが、あれはBが自分を不安定にするAに言っているんだとすると上手くはまります。

昴流に対して怖い顔をしているようですが、良く考えると昴流に(心が無いとすれば)星史郎が恨みを抱く理由は無く、昴流にいっているようで鏡に写る自分を見据えて話している所は象徴的です。

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